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233話 借用書

last update publish date: 2026-08-25 08:52:25

「これって湊が私たちに音声を聞かせているって事よね?」

そう聞くと遼大が自分のスマホを見ながら言う。

「前に湊くんに渡してあった、ペン型の通信装置からだな」

そう言えば前に愛沢くるみが久遠家の屋敷に何の前触れもなく来た事があって、その時に遼大が湊に何かあった時の為に、と湊にペン型の通信装置を渡してあったのを思い出した。

『あぁ、その件か』

湊の声がそう言う。湊の息遣いまで聞こえて来そうな程、高性能のマイクが音声を拾っている。

『ついさっき、ERで起きた騒ぎを知っているだろう? あれを収めなければならない。主犯の男は警察に引き渡すとしても、原因の究明はしないといけないからな』

湊が努めて冷静にそう言うのが聞こえる。

『だから今は、悪いが空いている時間が無いんだよ』

そう言われた愛沢くるみは何と返すんだろうか、そう思っていると、愛沢くるみの声が聞こえて来る。

『でも私の方もそんなに時間の猶予は無いの』

まぁ、愛沢くるみからしたら、波多野優斗を人質に取られている状況で、お金を渡さないと警察に行くとまで言われているのだから、確かに時間の猶予は無い気がしているだろう。

愛沢くるみを脅している新
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